原付の燃費は本当にいいの?

カタログ値と現実は異なることが多いので注意!

原付バイクを購入する理由としては、免許の問題や乗りやすさという点に加えて、燃費が良いという点を考える人が多いです。
確かに最近の原付はとても燃費性能が良くなっていて、経済的に乗れるようになっています。

以前であれば、カタログ値でリッター当たり40キロから60キロというものが多かったです。
しかし、今では多くのモデルがリッター当たり70キロくらいとなっています。
これは、自動車と比べるとはるかに優れた経済性を誇ると言えます。

もちろん、メーカーやモデルによって燃費のカタログ値は異なります。
たとえば同じホンダのスクーターでも、タクトの2015年モデルはなんとリッター当たり80キロを記録しています。
一方で、2014年仕様のディオは73キロで10パーセント近い差があります。

とはいえ、一時代前のモデルと比べると燃費の向上は雲泥の差とも言えるでしょう。
タクトの1996年モデルは49キロですし、ディオは47キロ弱というところでした。
20年前と比べると1.5倍程度の燃費向上となっているわけです。

しかし、こうしたメーカーが発表している燃費のカタログ値は、鵜呑みにしてしまってはいけません。
というのも、実際に道路で走るとこうした数値が出ることはほぼないからです。
なぜなら、メーカーが公表しているカタログ値としての燃費は、「定地走行」という方式で数値を出しているからです。

具体的には、起伏のないまっすぐな道を時速30キロで走り続けた場合の燃費として計測されているのです。
こうした燃費には理想的とも言える状況で走ることは、日常生活ではそうそうありません。
そのためカタログ値は、比較をするという点では参考になるものの、実際の燃費とは異なるということに注意しましょう。

実際の燃費はどうなのか?

では、実際の燃費はどうなってくるのか?という点が問題です。
こればかりは、ライダーが実際に走って計測するしかありません。
たくさんのライダーが経験によって平均値を出すと、だいたいカタログ値の80パーセントがせいぜいで、低いと50パーセント程度まで落ちてしまうこともあるのです。
このように走る状況によって、燃費はかなり上下することにも注意が必要です。

たとえば、街中をストップアンドゴーで走るのか、郊外の道を定速で走るのかによっても異なります。
また、運転するスピードにも左右されます。
カタログ値に近い、時速30キロから40キロで走れば良い数値が出ますが、飛ばすと燃費は悪くなります。
こうした違いも思いに留めつつ、カタログ値からさらに実際の走行では燃費が下がるということを意識してチェックすることが大事です。