50ccの原付が消えていく理由

昔に比べて50ccが売れなくなっている状況が見られる

日本国内においては全体的にバイクの出荷台数が減少する傾向が見られており、1999年には83万台にあった出荷状況が、2019年には33万台にまで減少しています。
この20年間で実に半分以下となっており、その中でも特に50ccの原付バイクの出荷が減っています。
1999年の出荷台数は62万台あったものが、2019年には13万台にまで下がっているのです。

以前はバイク全体の中でも、50ccというクラスはかなり高い比率を占めていましたが、今ではかなり下がっています。
その分、他のクラスのバイク、特に125ccクラスを購入する人が増えているのです。
これは数字を見ても明らかです。

同じ期間内で125ccの出荷台数は10万台をキープしていて、他のクラスの売れ行きが下がっているのに、ほとんどこのクラスは変わっていません。
50ccと比べると、現在では3万台以下の差となっています。
このままの状況が続くと、数年後には50ccよりも125ccバイクの方が多く売れることになります。

こうした状況が見られているのには理由があります。
まず、高齢化が進んでいて、高齢者が事故について不安を抱えるようになったためそもそも運転する人が減っているのです。
また2006年に駐車禁止の対象として、二輪車も厳しく見られるようになってきたという点も大きな影響を与えています。
気軽に出かけて、自動車よりも自由に駐輪できるのが魅力だった原付も駐車禁止の罰則を受けることも多くなってきたのです。

さらに、2008年にはリーマンショックが起こり、バイクだけに限らず全体的な消費が冷え込みました。
特にバイクは趣味の乗り物という側面もあったので、強いあおりを受けて減少傾向が強くなったのです。

50ccは日本だけの仕様でガラパゴス化している

上記は日本国内の状況ですが、海外では異なる動向が見られます。
そもそも、50ccというカテゴリは日本専用の仕様で、海外ではほとんど原付バイクを見ることはありません。
小さい排気量のバイクだとしても110ccから125ccが多く、50ccまで小さいモデルというのはほとんどありません。
日本のように細かく排気量によってバイクの免許制度が分けられていない国が多いので、わざわざ小さいバイクに乗る必要がないのです。
また、日本のように道路事情が発達していないこともあって、ある程度パワーのあるバイクが求められるという事情も関係しています。

世界的には125ccが主流

こうしたことから、世界的に見ると特に125ccクラスが主流となっています。
ほとんどの状況で走破が可能なパワーを持ち、なおかつ取り回しが楽な大きさなのです。
また、価格も50ccに近いお得な額の製品が多く、比較的求めやすいというのもポイントです。